ワーサー王列伝

主にプログラミング?

明解TS入門①

この記事は、徒然 Advent Calendar 2020 - Adventar の3日目の記事となっております

 

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刃牙道 5巻』(板垣 恵介)秋田書店

 

どうも、愚地独歩です。今年もはりきって、アドベントカレンダー黒歴史を刻み付けていきたいと思います。

 

 

本日から毎週木曜日に、「明解TS入門」と題しまして、みなさんに私の性癖を固めて投げつける行いをしていくのですが、ここで注意事項がありますので、こちらをご理解の上ご覧いただけると嬉しいです。

 


 

  • ここで扱うTSは、主人公ではなく、ヒロインの立ち位置のキャラクターが男性から女性にTSするというものになっております。
  • 同性愛に近い表現や、BLに強い抵抗のある方は、ブラウザバックを推奨いたします。

 


 

堅苦しいご挨拶を終えたところで、さっそく本題に入っていこうと思います。

この記事では、私が思うTSのなんたるかを表現する「SS」での実例をご覧になっていただきながら、みなさんにTS、ひいては精神的BLの良さを知っていただこうと思います。

それでは、早速本編をの方をどうぞ。

 

***

 

友「君しか見えないんだ」1話

 

友「君しか見えないんだ......」

男「どうしたんだ、藪から棒に?」

友「いや......何でもないよ」

男「いやいやいや、野郎同士で告白じみた台詞を言っておきながら何でもないもないだろ」

友「いやー、昨日見たドラマの俳優がすごくカッコよくてさ、つい影響されちゃった」

男「あー、なるほど?......まあそういうことなら、なかなか様になってたんじゃないか?迫真の演技っていうか、本気かと思った」

友「そう?そう言われると嬉しいかも」

男「突然言い出したのは意味わからんけどな」

 

友「それより勉強しなくて大丈夫なの?『明日の小テストヤバいから教えてくれ』っていうからわざわざ家にまで来たのに」

男「いやいや、お前が話しかけてきたせいだろ......来ていただいたのはありがたいですけども」

友「うんうん、僕にもたまには邪魔する権利くらいあるよね」

男「くそー、余裕そうに俺のベットでくつろぎながら本なんか読みやがって、そういうお前は勉強しなくて大丈夫なのかよ」

友「まあね、僕は毎日しっかり予習復習してるから」

男「優等生め......すみません、ここの問題教えてください......」

友「はぁ......仕方ないなぁ、どこどこ?」

男「えーっと......」

 

男「終わったー!」

友「お疲れ様、僕もきりのいいところまで読めたし、そろそろ帰ろうかな?」

男「おう!今日はほんとありがとな!今度飯でも奢らせてくれ」

友「言ったなー、じゃあ明日は食堂で一番高いメニュー食べちゃおうかな?」

男「うっ、まあお手柔らかにお願いします......それより、今日はずっとそれ読んでたけど、何の本なんだ?」

友「えーっと、『アンデルセン童話集』って言って、いろいろ童話が載ってるんだけど......」

男「へぇー、グリム童話みたいな感じか」

友「まあそうね、有名なのだと『人魚姫』とか」

 

男「あー、あれって結構原作エグくなかったっけ?喋れなくなったり泡になって消えちゃったり」

友「うーん、そうね、でも僕は結構素敵なお話だと思うけどね」

男「へぇー、どこら辺が?」

友「人魚姫はさ、幸福だったと思うんだ、決してありえなかった人魚と王子様の恋を成就させるためのチャンスがもらえたんだし......それだけでも十分現実離れした話じゃないかな」

男「うーん、でも結局人魚姫と王子は結ばれなかったんだろ?」

友「僕は、それも人魚姫の決断だったんだと思う、王子様が素敵な人を見つけて幸せになれるんなら、自分は邪魔しちゃいけないって。そう思えたなら、たとえ泡となって消えてしまったとしても、それは決して不幸なことじゃないと思うな」

男「おお、お前ってたまにすごいロマンチストになるよな?」

友「えぇ......男が聞いたんでしょ......」

男「あれ?そうだったか?すまんすまん」

 

男「......まあでも確かに、そう考えるとそんなに悪い話でもないのかもな」

友「でしょでしょ」

友「............まぁ僕だったら、そんな道は選ばないけどね」ボソッ

男「?」

友「あ、もうこんな時間だよ、そろそろほんとに帰るね」

男「ああ、気を付けて帰れよ、今日はありがとな」

友「どういたしまして、じゃあまた明日」

男「じゃあなー」

 

ーーー

男「はぁー、テストを終えて迎える土曜の朝は気持ちいいぜー」

男「テストも手応えあったし、友さまさまだな」

携帯 ブブブブブッ

男「ん?なんか連絡来てるな、友から?」

友『今日僕の家来られる?』

男「うん?遊びの誘いか?なんか友の文章にしてはそっけないな」

男『おう、問題ないぞー、今からでも行けるけど?』

友『ありがとう 待ってる』

男『はいはいー、多分11時ぐらいに着くと思う』

男「まあよく分からんが、暇だし用事ができたのはありがたいな、早速準備するか......」

 

ピンポーン

男「ちょっと早く着いちゃったけど、インターホン押しちまった......まあ大丈夫だろ」

?『はい、どなたでしょう?』

男「あー、友くんの友達の男っていうんですけど」

?『男?ちょっと待ってて、今開けるから』プツッ

男「あれ?今の友だったか?何か声が違ったような」

 

ガチャッ

?「......」

男「......?」

?「......えーっと、おはよう男?」

男「えーっと?あれ、俺会ったことありましたっけ?友の妹さん?」

?「えっ?あれっ?」

男「ああ、すみません!俺忘れっぽくって!会ったことありますよね!」

?「ええっと......まぁいったん上がっていきませんか?」

男「はい!お邪魔します」

バタンッ

 

男(やばい、適当に会ったことあるとか言ってしまった、けどこの人......)

?「こっちです」ノソノソ

男(すごいゆっくり歩いてるな......ずっと壁に手をついてるし、足怪我してるのか?)

?「きゃっ!」コケッ

男「おっと」ボスッ

?「あっ/// ごめん!」

男「えーっと、大丈夫ですよ」

男(ちょっとの段差でこけるなんて、相当ひどい怪我なのか?見た感じはそうでもないけど)

男(それにしても可愛らしい子だな......あいつこんな妹いたっけ?)

 

?「こちらにお座りください」

男「ご丁寧にどうも......友は出かけてるんですか?」

?「あー......その話なんですけどねー......」

男「?」

?「......です」

男「えーっと、すみませんなんて?」

?「......僕が友です」

男「は?」

友?「だから、僕が友なんだって」

男「はぁ」

 

友?「なんだよその返事、絶対信じてないだろ」

男「いやいやいや、俺の知ってる友は男なんですけど、あなたどう見ても女なんですけど」

友?「だから!女になっちゃったんだよ!!」

男「え?待って待ってどういうこと?」

友?「変な夢見て!朝起きたら!急に女になってたの!それ以上は僕にも分からないんだよ!」

男「やばい、訳が分からない」

友?「16歳!8月17日生まれ!A型!成績はクラスで上から5番目!男とは小2からの付き合い!男のエッチな本の隠し場所は学習机の引き出しの......」

男「わー!!待て待て、なんでお前が知ってるんだよ!!って、あれ?」

友?「はぁ......はぁ......信じてくれた?」

 

男「あー、はい、まあとりあえず」

友「ふー、良かった......」

男「えーっと、ほんとに友なのか?」

友「だからそう言ってるでしょ、正真正銘の友だよ、僕の気が狂ってなければだけどね......」

男「マジかぁ......どうしてそうなっちゃったんだ?」

友「これもあんまり信じてもらえるか分からないけど、聞いてもらえる?」

男「おう、もう正直何言われても信じる気分だぜ」

友「何かやけくそになってない?.....まぁいいや、夢をみたんだよ」

男「夢?」

友「そう、夢」

 

友「知らないおばあちゃんが出てきてさ、何でも僕の願いを叶えてくれるって言われて」

友「それで、夢の中の僕は何だかすごく胡散臭く感じて、何でも叶えてくれるっていうなら、僕を女にしてみろって......」

男「そう言ったら、起きたらこうなってたと」

友「うん......」

男「はぁ、なんともファンタジーな話だな......現実に起こってるから文句も言えんが」

友「そうね......ほんとに何と言ったらいいのか......」

男「そういえば、家族は何も言わなかったのか?わが子の性別が変わったら普通大騒ぎだと思うんだけど」

友「それが......何も言われなくって」

男「えっ?」

 

男「そういえば、友はなんでずっと立ちっぱなしなんだ?」

友「えっ......いや、何となく?」

男「なんだそりゃ、そっちのソファー空いてるんだし、座った方が話しやすくないか?」

友「う、うん、そうするよ」ノソノソ

ガンッ

友「いたっ!」

男「おい、大丈夫か......けっこう痛そうな音したぞ」

友「うん、ちょっと痛いけど大丈夫」

男「まあ、いきなり女の身体になったら、そりゃ動きずらいよな」

友「そうだね、色々慣れなくて......」

 

男「話を戻すと、友が俺を呼んだのは、俺が友のことを覚えてるかを確かめるためだったのか?」

友「えーっと、それはね......」

電話 プルルルル

男「あ、電話なってるぞ」

友「あっ、えっと」

男「ほらほら受話器そこに置いてあるぞ」

電話 プルルルル プルルルル

友「えーっと、ここらへん?」

男「いや、そこそこ、がっつり視界に入ってるだろ?」

電話 プルルルル プルルルル

友「えーっと、えーっと......」

男「......」

電話 プルルルル プルルルル

男「もしかして、友......」

電話 プルルルル プツッ

男「目が......見えてないのか?」

友「......」

 

男「そんな......いつから......」

友「今朝......起きたら......」

男「今朝って......まさか」

友「うん、女になってから、見えなくなっちゃった......」

男「親には?」

友「話してない......こんなこと言ったら、楽しみにしてた二人のお出かけ、邪魔しちゃうかなって......」

男「っ......」

 

友「......それでも、気づいたら、僕、すごく不安だったんだ」

男「......」

友「お父さんとお母さんがいなくなって、家で一人で、真っ暗で、誰も僕を覚えてなくて、大好きな本も読めなくなって......」

男「......」

友「不安で、耐えきれなくなって、男に連絡して、頼っちゃったんだ......」

男「友......」

友「ごめんね、急に、迷惑だったよね?びっくりしたよね?ダメだね、僕、いつも頼ってばっかで......」

男「友!」ガシッ

友「あっ......手............」

男「急でもいい、迷惑なんかじゃない、多少は驚いたけど、友はダメじゃないし、むしろ俺が頼ってばっかりだ!」

友「でも.......僕......」

男「......何というか、とにかく、俺はここにいるから、落ち着いて......な?」

友「ん......」

 

男「落ち着いたか?」

友「......うん、ありがとう、すごく助かったよ」ニコ

男「っ、ああ、何てことない」

男(クソッ、女の子の姿の友に不覚にもドキッとしてしまった......友はこんなに苦しんでるのに、俺は何を考えているんだ......)

男「それより、他に身体の不調とかはないのか?」

友「うん、大丈夫、身体もしっかり動くし、耳もしっかり聞こえるよ」

男「そっか、それは良かった......って良くはないか、すまん」

友「ううん、気にしないで、男が本当に心配してくれてるってことは分かってるから......」

 

男「......ごめんな」

友「だから気にしないでって」

男「いや、友が一人で不安になってるときに、友の言葉を疑って、ごめん」

友「最初来た時のこと?しょうがないよ、僕だって見たことない人が君の名前を名乗ったら疑っちゃうし」

男「それは俺の事情だろ、何であれ友を追い詰めるようなことをしたには違いないし」

友「うーん......それこそ気にしないんだけどなぁ......そしたらさ、ひとつお願いしてもいい?」

男「ああ、もちろん、何でも言ってくれ」

友「僕がこれからずっと目が見えなかったとして、今みたいに不安になっちゃって、取り乱すことがあるかもしれない。そしたら、そのときは、今みたいに男がそばにいてくれないかな?」

男「もちろん、言われずともそうするよ」

友「......ほんとう?」

男「任せろ」

友「嬉しい......」

 

男「よし!それじゃあこれからの話もあると思うが、気分転換にひとまず飯にしないか?何が食べたい?」

友「えーっと、でも男が作れるのって......」

男「カレーぐらいだな」

友「そうだよね......でも今はちょうどカレーが食べたい気分かも」

男「分かった、じゃあちょっとだけ買い出し行ってくるな」

友「うん......すぐ帰ってくるよね?」

男「もちろん!全力ダッシュで行かせていただきます!」

友「あはは、でも交通事故には気を付けてね」

男「今なら車も跳ね返せる気がする」

友「えぇ......本当に気を付けてってば」

男「大丈夫、絶対戻ってくるから」

友「ん......」

 

男「それじゃあ、ちょっと行ってくる」

友「うん、行ってらっしゃい」

ガチャ......バタン

友「......行ったのかな?」

友「はは、これじゃあ男がほんとに出ていったのかも分かんないや」

友「男ってば、あんなに真剣に心配して......」

友「そばにいるって、言ってくれた......」

友「そんなこと言われちゃったらもう......」

 

 

 

 

 

 

 

 


友「......逃がさないよ」

  

***

 

本日はここまでになります。

来週も12/10(木)に更新する予定ですので、ぜひ読んでいただけると嬉しいです。